【監督】ティム・バートン
【出演者】ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター、エヴァ・グリーン、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジョニー・リー・ミラー、クロエ・グレース・モレッツ
【あらすじ】18世紀半ばにイギリスからアメリカに渡り事業を成功させたコリンズ家の御曹司バーナバスは、メイドに手を出すが、すぐに捨ててしまう。 実は魔女だった彼女は、バーナバスの恋人ジョゼットを死に追いやり、バーナバスをヴァンパイア(吸血鬼)に変えて生き埋めにした。 …200年後の1972年。 工事現場で棺を掘り起こされ復活したバーナバスは、落ちぶれてしまったコリンズ家の再興を目指すのだが…。 ダーク・ファンタジー。
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画像(C)2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
【解説と感想】男女の仲は先が読めない。理想の相手と思っていたのに別れてしまうことがある。理由を追及されても答えようがない。ダメなものはダメなのだ。他に付き合いたい相手がいる場合は、とにかく一刻も早く別れたい! だが、こじれると長引く。一度は好きになった相手だが、別れてくれないと鬱陶しくなるばかりである。
本作の主人公バーナバス(またもや白塗りメイクのジョニー・デップ)は、名家コリンズ家の御曹司でプレイボーイ。 楚々としたお嬢様風の女性ジョゼット(ベラ・ヒースコート)と恋に落ちるや、遊びのつもりで付き合っていたメイドのアンジェリーク(エヴァ・グリーン)をポイ捨てしてしまう。普通の女でさえ捨てられたら日夜悶々とするのに、何とメイドは恐ろしい魔女だったのである!!! 彼女は恋敵のジョゼットを死に至らしめ、愛しい男バーナバスをヴァンパイアに変えて生き埋めにした。激しすぎる失恋の仕返し! キレイさっぱり別れないと、こんな災厄が降りかかってしまうのだ!
200年後にバーナバスは復活し、女社長アンジーこと魔女アンジェリーク、死んだ恋人ジョゼットそっくりの家庭教師ヴィクトリアと再会する。やっと甦ったというのに、またもやアンジーと肉体関係を持ち、清純派のヴィクトリアに愛をささやくプレイボーイぶりだ。棺の中で全く学ばなかったアホ男バーナバスは、またもや災厄に見舞われてしまう!
魔女アンジーは頭が良くて美人でナイスバディ。ヴァンパイアにされた恨みも忘れて、ついつい誘いに乗ってしまうほど色っぽい。永遠の愛を誓えば、彼女は今後たいして悪いことはしないような気がする。没落したコリンズ家も、経営する缶詰会社も安泰だ。私なら公私ともにアンジーをパートナーにするのも悪くないと思うのだが…。このとんでもない三角関係と、現代社会に馴染めないバーナバスの時代錯誤ぶりがただただ笑える。世界を支配できるかもしれない魔女が、地元の港町コリンズポートの支配に固執しているのもご愛嬌だ。
まともなのはコリンズ家の現女当主エリザベス(ミシェル・ファイファー)だけで、同居している彼女の娘キャロリン(クロエ・グレース・モレッツ)、弟ロジャー(ジョニー・リー・ミラー)、彼の息子デヴィッド(ガリー・マクグラス)、住み込み精神科医ジュリア(ヘレナ・ボナム=カーター)、使用人ウィリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)、家庭教師ヴィクトリアに至るまで、一癖ある人物ばかりなのだが、面白すぎる魔女とヴァンパイアの前ではさすがに影が薄い。げに恐ろしきは女の恨み。恋の相手だけでなく、職場でも家庭でも、身の回りの女性にはご用心。ひたすらその教訓を垂れているギャグ・コメディ。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)
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【解説と感想】本作はアカデミー賞外国語映画賞をはじめ多くの映画賞を受賞した。日本人には馴染みの薄い国・中東イランの現代映画である。石油の国、政情不安定な国、女性がスカーフを被っている国というくらいのイメージしかない人がほとんどだろう。
チャードル(大きな布)やスカーフで身体の線を隠しているイスラム教徒の女性たちには、男性に従順なイメージがあるが、とんでもない! どの女性も驚くほど自己主張が強く、行動的である。男性が哀れに見えてくるほどだが、実際はどうなのだろう…?
イランの社会状況を想像しながら疑問は膨らむばかりである。淡々と仕事をこなしているように見えて言いたいことは言う判事の言葉が、そんな観客の抱く疑問を代弁している。さて、あなたならどんな答えを出すだろうか? イラン国内と世界へ、強烈なメッセージを発しているお薦め作品だ。
【解説と感想】阪神淡路大震災の衝撃も大きかったが、東日本大震災は天災+放射能汚染という面で世界中に不安を与えた。もう完全に安全な場所などどこにもない。
オスカーは人と接することが苦手で、敢えて病名を付けるなら、自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害の傾向が見受けられる少年である。唯一の友だちだった陽気な父を喪ったショックは計り知れない。
ちょっと出来過ぎな展開の謎はあとで解けるが、それでも感動してしまった。まるでニューヨークの街全体で、9.11テロ被害者の子どもを温かく支えているような印象を受けたからだ。あくまでも映画の中での話だが、以前なら人々はこんな面倒くさいことはしなかったかもしれない。しかし数千人の被害者を目にして、それが自分や家族だったかもしれないという共通認識が、ニューヨークの人々の気持ちを変えたのだ。
オスカーに同行する謎の老人(マックス・フォン・シドー)が登場する。彼も9.11後、“絆”に目覚めたのだろう。パパの遺した一本の鍵は確かにオスカーと彼の家族を変えた。それは不本意ながら死んでいった父親からの最高のプレゼントだった。人はみな優しくて温かい。そう信じられるお薦め作品だ。