2014年11月17日

『インターステラー』お薦め映画

★★★★★ 2014年製作 米 (169 min)
【監督】クリストファー・ノーラン(メメント、ダークナイト、プレステージ、ダークナイト ライジング)
【出演者】マシュー・マコノヒー(ダラス・バイヤーズクラブ、サハラ 死の砂漠を脱出せよ、サラマンダー、エドtv)
アン・ハサウェイ(プリティ・プリンセス、レイチェルの結婚、パッセンジャーズ、ゲット スマート)
ジェシカ・チャステイン(ゼロ・ダーク・サーティ、テイク・シェルター、ヘルプ 心がつなぐストーリー、ツリー・オブ・ライフ)
マッケンジー・フォイ、ジョン・リスゴー、マイケル・ケイン、エレン・バースティン
【あらすじ】近未来の地球。 植物が疫病に侵されて食糧供給が打撃を受け、社会は文明から遠ざかっていた。 元テスト・パイロットでエンジニアだった中年男クーパーは、今はトウモロコシを育てる農夫。 しかし、地球の寿命が尽きかけていることを知らされたクーパーは、パイロットに復帰することに。 その任務は、人類の移住先を見つけることだった…。 SFアクション・アドベンチャー。

『インターステラー』象のロケット
『インターステラー』作品を観た感想TB

画像(C)2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures All rights reserved.

INTERSTELLAR1.jpg 【解説と感想】近年、環境汚染が進み、地球の砂漠化、水不足が心配されている。農薬散布や遺伝子操作を行っても、作物はシナリオ通りには育たない。人口増加に食糧供給が追い付かない。医学が発達しても病人は増える一方で、エボラ熱やテング熱など新しい病気がどんどん出てくる。マスクをしないと出歩けない、空気清浄機や加湿器がないと眠れない、浄水器を通さないと水が飲めない世界なんて、考えてみるとおかしな話だ。もはや人間は、地球には住めなくなりつつあるのかもしれない。

INTERSTELLAR2.jpg 本作インターステラーの舞台は、近未来のアメリカ。科学技術が発達したハイテクの未来ではなく、戦前に逆戻りしたようなローテク社会。食糧供給が最重要課題であるため、宇宙飛行士だった主人公クーパー(マシュー・マコノヒー)も、今は義父(ジョン・リスゴー)の農場で農夫をしている。イザという時、一番大事なのは農業なのだ。しかし頑張っても頑張っても絶滅する品種が増えていく。次に絶滅するのは人間かという状況にまで来ていた。

クーパーの息子トム(ティモシー・シャラメ)は農場の跡継ぎを目指しているが、娘マーフ(マッケンジー・フォイ)は父親譲りのリケジョ(理系女子)。母親のいない多感な思春期の子どもたちを残し、身を切られるような思いでクーパーは宇宙へ旅立つ。それもこれも、子どもたちが安心して暮らせる新たな星を見つけるためだ。

宇宙戦艦ヤマトのように、人類の希望を託されたのは宇宙船エンデュランス号。数人の同乗者の中で、女性科学者アメリア(アン・ハサウェイ)は独身だが恋人がいるらしい。最終目的は恋人と安心して家庭を築ける未来のためだろうか。彼女を乗り込ませたのは父親のブランド教授(マイケル・ケイン)。クーパーもブランド教授も、人類そして愛するわが子のために、このミッションを絶対成功させなくてはと思っている。

途中で、子どものいない別の男性科学者が、自分は純粋に人類の未来のために任務を遂行するのだと言うシーンがある。彼の本心はともかく、私はここで問題を投げかけられているような気がした。現代社会でも環境問題や食品添加物に敏感なのは母親や母親予備軍の女性たちだ。愛するわが子のためなら、親は何だってやる。しかし社会のために、人は命をかけられるのか? 命を投げ打って他人を救った話が美談になるのは、そんな人が少ないからである。家族愛を人類愛にまで高めなければ、ゴミのポイ捨て、非常時の食品買い占め等はなくならないだろう。

INTERSTELLAR3.jpg のどかな農場、ハイテクな科学研究所、そして既に私たちが映像では見知ったつもりの宇宙、そして新たに発見された宇宙のワームホールの先の意外な世界が、リアルな映像で描かれるが、やはり見とれるのは地球の美しさ。時間の早さが地球と違う点もドラマティックだ。果たして地球に未来はあるのか? 移住先の惑星は見つかるのか? 人類は生き延びることができるのか? 思わぬところに敵がいて、クーパーの旅は困難を極める。

人類を絶滅に追いやりつつあるのは、ガミラス星人ではなく人間自身。環境汚染が進む地球への警鐘と、人類を救うのは科学ではなく、愛という未知なる力だというメッセージが込められたSFアクション大作。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 

posted by 象のロケット at 20:46| Comment(3) | TrackBack(20) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする