2017年09月05日

『ダンケルク』お薦め映画

★★★★★ 2017年製作 米 (106 min)
【監督】クリストファー・ノーラン(メメント、ダークナイト ライジング、ダークナイト、インターステラー)
【出演者】
フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン
【あらすじ】第二次世界大戦中の1940年。 ナチスドイツのフランス侵攻により、40万人ものイギリスとフランスの連合軍兵士たちは、ドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクまで追い詰められていた。 圧倒的な数のドイツ敵軍が迫る中、民間船までもが関わった史上最大の救出作戦が動き出す…。 実話から生まれた戦争アクション。

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画像Copyright:(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. All rights reserved.

dunkirk1.jpg 【解説と感想】先日の早朝、北海道上空をミサイル通過し、太平洋上に落下した。朝のニュースからは緊迫感が伝わってきたが、何をどうすることもできないので、普通に試写に出かけた。電車も思ったほど遅れず、いつもと変わらない一日だった。その後の報道も大騒ぎだったが、あっという間に収束した。平和ボケしている私たちは、そんなに簡単に戦争が始まるとは思っていない。今を「戦前」だったと思い返す、「戦中」「戦後」が、いつかやって来るのだろうか…。

dunkirk2.jpg 本作は第二次世界大戦中の実話から生まれた物語で、「ダンケルクの戦い」とは、ナチスドイツのフランス侵攻によって、フランス北端の港町ダンケルクに追い詰められたイギリスとフランスの連合軍兵士40万人の救出作戦のことである。時はドイツに勢いがあった頃の1940年5月24日。連合軍はここで戦っても勝ち目はないと撤退を決めたものの、全員が乗るだけの船はない。空からは攻撃を受けている。さて、どうするか? 

dunkirk3.jpg ここでは誰一人自決などしない。これが最後ではないからだ。一旦退くのは次の戦いに備えるためで、まだまだ兵士たちには働いてもらわなくてはならない。とは言え、若い兵士の頭にあるのは生きて祖国へ帰ることだけ。猛烈に腹も減っている。40万人とはすごい人数で、「史上最大の」救出作戦と言われている。

dunkirk4.jpg 陸では、大勢の連合軍兵士が、心細い思いで救出を待っている。空では、ドイツ軍の爆撃機を味方のパイロットが追い払おうと必死で戦っている。沖合では墜落したパイロットが助けを待っている。港では全員を乗せられないと艦長が険しい表情をしている。そして、祖国イギリスからは、救出船が足りないとの連絡を受けた民間船が、戦地ダンケルクへ向かっている。まさに、陸海空の大掛かりな救出作戦である。ダンケルクからイギリスまでは、ドーバー海峡を隔ててわずか42キロ程らしいが、負傷し追い詰められた兵士たちには、気が遠くなるほど遠く感じられたことだろう。

dunkirk5.jpg 印象的なのは、民間船の船主の、「若者を戦地へ行かせた責任を取らねばならない」という言葉。彼の息子も出征しているらしい。そう、いつも戦争で死ぬのは前途ある若者で、戦争を始めるのは、決して戦地へ行くはずもない年取った大人なのだ。日本も元気で優秀な若者を戦争で大勢失った。

群像劇なので、誰が主人公と言うよりも、「監督クリストファー・ノーラン」がバーンと前面に出ている。見る前から「映像がすごい」などと、イメージが刷り込まれてしまっていた。見たところ、確かに「すごい」映像で臨場感がある。大きなスクリーンで見た方が満足度も高いだろう。しかし、やはり人あってのドラマである。兵士たちの憔悴しきった表情に、それでも生きようとする姿に、味方を守ろうとする頑張りに、命がけで救出に向かう心意気に、私たちは心を動かされるのだ。

dunkirk6.jpg 日本・ドイツ・イタリアの三国同盟が締結されたのは、このダンケルク救出作戦後の1940年9月27日。第二次世界大戦では連合軍は日本の敵だったが、今の日本でそんなことを気にしている人はいないだろう。この時の、ドイツ軍、フランス軍、イギリス軍の内部事情はそれぞれあるらしいが、そんなに気にしなくてもいいと思う。史実より映画そのもの、イギリス人監督が描く「英国人の誇り」を、純粋に褒め称えたくなる戦争ドラマ。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
 
posted by 象のロケット at 20:55| 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする