2011年03月11日

『ザ・ファイター』お薦め映画

★★★★★ 2010年製作 米 (116 min)
【監督】デーヴィッド・O・ラッセル
【出演者】マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、メリッサ・レオ、ジャック・マクギー
【あらすじ】アメリカ・マサチューセッツ州の労働者の街ローウェル。 異父兄弟のディッキーとミッキーは、共にプロボクサー。 兄のディッキーは街の英雄だが、麻薬に溺れ、怠惰な生活を送っている。 一方、弟のミッキーは真面目だが、一勝もできない。 どん底まで堕ちた天才ボクサーの兄をトレーナーに、三流ボクサーの弟は世界を目指すのだが…。 プロボクサー、ミッキー・ウォード(1965〜)と家族の物語。
アカデミー賞助演男優賞・助演女優賞、ゴールデングローブ賞助演男優賞・助演女優賞、サテライト賞助演男優賞他多数受賞
『ザ・ファイター』象のロケット
『ザ・ファイター』作品を観た感想TB

画像(C)2010 RELATIVITY MEDIA. All rights reserved.

fighter1.jpg 【解説と感想】家族とは面倒なものだ。特に女が多いと凄まじい。まず母親。子供たちが大きくなっても、全てに口を出さなければ気が済まない。父親は気が弱いから続いているようなもの。腹違いの兄弟が多く、姉妹は7人! ピーチクパーチク騒ぎ立て、恋人との仲もブチ壊す。そして素行の悪い兄が1人。自分は家族のために嫌な仕事も引き受けて頑張ってきたが、もう足を引っ張られるのはたくさんだ。一人になりたい! …決して私の愚痴ではない。実在のプロボクサー、ミッキー・ウォードの話である。

fighter2.jpg 主人公ミッキー(マーク・ウォールバーグ)は真面目にトレーニングに励むプロボクサー。マネージャー役の母親(メリッサ・レオ)の試合の組み方が悪いせいもあり、なかなか芽が出ない。トレーナー役の兄ディッキー(クリスチャン・ベール)は、かつては才能あるボクサーだったが、今は麻薬に溺れ怠惰な生活を送っている。

fighter4.jpg 最初から最後まで、クリスチャン・ベールにクギ付けである。本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したが、誰も異論ないであろう名演技。また、減量し、髪を抜き、歯並びまで変えたという身体改造で、労働者の街の堕ちた天才ボクサーらしい体型、面構えとなった。弟の全てを理解し、自分以上のヒーローに育てようとする姿が感動的だ。

主人公のミッキーの性格が地味なこともあり、マーク・ウォールバーグも熱演していたのに気の毒なくらい、兄ディッキーに目が行ってしまった。過保護な母親を演じたメリッサ・レオも、本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞している。

fighter3.jpg 本来、助演が主演より目立ってはならないが、本作は「プロボクサーと、彼の家族の物語」というべき家族愛が前面に出たストーリーであったので、やむを得ない面もあるだろう。そのため恋人(エイミー・アダムス)とのラブストーリーも霞んでしまっている。

この家族には悪意はない。誰もがミッキーを応援している。濃すぎる家族関係につぶされそうなミッキーだが、家族と別れて成功したとして、果たして彼は幸せになれるだろうか? 勝利の瞬間、そこに喜びを分かち合う家族はいないのだが…。

家族を選ぶか、成功を選ぶか、それとも両方を手にするか? プロボクサーの栄光と挫折、家族の絆を描くヒューマンドラマ。兄弟愛に泣く、お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 13:38| Comment(3) | TrackBack(13) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このたびはトラックバックありがとうございます。『おにいちゃんのハナビ』も好きな映画です。
Posted by uerei at 2011年04月01日 13:35
TBどうもです。

生きる重みを人間関係でみせるボクシング映画を人生のドラマにしていましたね。
対戦相手も、きっとああいうものを背負っているのだろうなと思わせられました。
Posted by ひし at 2011年04月07日 01:16
トラックバックありがとうございました!拙い記事ですが見ていただいて光栄です。
人物たちの“戦い”は、試合のシーン同様に見ていて手に汗握るものでしたね。そして最後のタイトルマッチのカタルシス…いい映画でした。ベイルの役者バカっぷりも最高です!
Posted by arnold at 2011年04月24日 23:33
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