2017年10月25日

『ブレードランナー 2049』お薦め映画

★★★★★ 2017年製作 英・米・カナダ (163 min)
【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ(プリズナーズ、ボーダーライン、渦、複製された男)
【出演者】
ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド、ラースとその彼女、ブルーバレンタイン、スーパー・チューズデー 正義を売った日)
ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説、レイダース 失われたアーク<聖櫃>、ブレードランナー、インディ・ジョーンズ 最後の聖戦)
アナ・デ・アルマス(スクランブル、ノック・ノック)
シルヴィア・フークス、ロビン・ライト、マッケンジー・デイヴィス、カーラ・ジュリ
【あらすじ】人間と人造人間レプリカントの闘いから30年後の2049年。 レプリカントの製造元タイレル社を買い取ったウォレスは、従順な新型レプリカントの製造を開始した。 旧型で寿命制限のないネクサス8型の残党を追跡し“解任”している捜査官ブレードランナーのKは、ある事件をきっかけに、30年間行方不明となっている元捜査官デッカードを探し始める…。 SFサスペンスアクション

『ブレードランナー 2049』象のロケット
『ブレードランナー 2049』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)2017 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

blader1.jpg 【解説と感想】1983年公開の前作「ブレードランナー」から実に35年も経った2017年、新作「ブレードランナー2049」が製作された。時代設定も、前作が2019年で新作は2049年と、30年が経過している。今回の主人公は新ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)だが、前ブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)の存在感は別格。「インディ・ジョーンズ」でも「スターウォーズ」でも、観客は前作から経過した長い年月を彼と共有しているような気がしてくる。ハリソン・フォードは幸せな俳優だ。

blader2.jpg 多少、画面は明るいが、前作を踏襲する世界観の構築は見事で、同じ監督なのかと思ってしまうほどである。かなりのプレッシャーを感じながら、注意深く製作されたに違いない。陰鬱な街の中で、誰が人間で誰がレプリカント(アンドロイド・人造人間)なのか、パッと見はよく分からない。ブレードランナーKは、旧型で寿命制限のないネクサス8型の残党を追跡し“解任”=抹殺している。旧型レプリカントは凶暴には見えないけれど、存在すること自体が許されないのだ。そして、Kは驚愕の出来事に遭遇する。

blader3.jpg 冷静沈着ポーカーフェイスのKはスゴ腕で職務に忠実。プライベートでは恋人を大事にしていて、家の中では表情が和らいでいる。とはいえ、Kの恋人ジョイは、ちょっと普通と違う女なのだ。色っぽい場面もある。既に“こんな彼女”との幸せな同棲生活を送っている人もいるだろうが、“こんな家庭生活”が主流にならないことを願うのみである。



blader5.jpg 長年、ひょっとしたらデッカードはレプリカントではないかとの論議がなされてきたらしいが、本作では特に言及されない。Kも謎の男で、彼自身も自分の出自をよく分かっていない。デッカードの空白の30年と、Kの正体、その他の謎が次第に明らかになっていく。



blader4.jpg 163分という長尺だが、ストーリーは練られていて飽きさせない。人間の都合で理不尽に使い捨てされてきたレプリカントが、新たな一面と動きを見せてくれる。予想を覆す展開で、激しいアクションや一風変わったラブシーンも楽しめ、登場人物の繊細な“心”が伝わってくる。私自身は、ラストに何とも言えない切なさを感じ、もうこれだけで満足できた。この数秒間の哀愁を感じるために、163分の長さが必要だったのだと思えるほどだ。SF映画の金字塔と讃えられる前作に続き、本作もまた美しい傑作である。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
 
posted by 象のロケット at 20:05| 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする