2018年01月07日

『悪と仮面のルール』お薦め映画

★★★★ 2017年製作 日 (138 min)
【監督】中村哲平
【出演者】
玉木宏(雨鱒の川 ファースト・ラブ、のだめカンタービレ 最終楽章、MW -ムウ-、真夏のオリオン)
新木優子(僕らのごはんは明日で待ってる、ゆるせない、逢いたい)
吉沢亮(リバーズ・エッジ、レオン、斉木楠雄のΨ難、仮面ライダー×仮面ライダー MOVIE大戦 アルティメイタム)
中村達也、光石研、村井國夫、柄本明

【あらすじ】資産家の息子・久喜文宏は11歳の時、自分が「この世に悪の心“邪”を残すために生まれ育てられた」のだと父から告げられ、養女・香織と引き合わされる。 文宏と香織は惹かれ合うが、14歳の時に文宏は父を殺害した。 …大人になった文宏は整形手術で顔を変え、“新谷弘一”として香織に近づく。 そんな文宏に、謎の男たちが接触してきた…。 サスペンス。
原作:中村文則 主題歌:Uru『追憶のふたり』

『悪と仮面のルール』象のロケット
『悪と仮面のルール』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)中村文則/講談社(c)2017「悪と仮面のルール」製作委員会

akurule1.jpg 【解説と感想】育児放棄や監禁、虐待、万引き等の犯罪指示や売春強要など、我が子に対して信じられないようなことをする親がいる。幼い子は大人に頼らなければ生きていけない。自分が虐待されていることに気づかない子どももいるらしい。子どもは育て方次第というが、環境に関係なく優秀な子と落ちこぼれがおり、グレる子とグレない子がいて、優しい子と冷たい子がいる。子どもは親の影響をどのくらい受けるのだろう? どれくらい親の思い通りになるのだろう?

akurule2.jpg 本作の主人公・久喜文宏(玉木宏)は、財閥の末っ子として生まれた。父(村井國夫)はこの世に「悪の心(邪)」を残すために彼を作ったのだという。心情的なことは複雑で少し分かりにくいが、金銭的にだと分かりやすい。影の存在である代々の“邪”の働きによって久喜家は発展してきた。父も“邪”であり、父の異常な計画を知った少年・文宏は父を殺害する。その時、父は息子に“邪”のバトンタッチをしたつもりだったのかもしれない。

映画は、そんな文宏が大人になり、金で“新谷弘一”という男の身分と顔を手に入れ、新谷に成りすますところから始まる。整形した顔の違和感を体感しようと、玉木宏は顔に鍼を50本打ったのだという。整った顔がこわばって見えたのは細かく計算された演技+鍼のせいだったのだ。声も渋いし、身のこなしも落ち着いていて、クールで繊細な殺人者役にピタリとはまっている。

akurule4.jpg 彼は数年間共に育った久喜家の養女・香織(新木優子)を守ろうとして、再び殺人を犯す。香織への恋心は少年のように初々しい。文宏と香織の無味乾燥な今の生活を支えているのは、思春期の幸福体験だけなのだ。2人が車の中で会話するシーンは切ない。香織は“邪”の対極にあるような性格で、美しく可憐。私も見とれてしまった!

重要な役どころの青年・伊藤を演じる吉沢亮は、近ごろ映画出演が相次いでいる若手俳優。『リバーズ・エッジ』の演技も印象的だった。次なるスターだろう。
akurule3.jpg 探偵・榊原役の光石研は、見ない日はないほど映画やテレビに出ているベテラン俳優。さすがです、としか言いようがない。刑事役の柄本明は、邪魔で嫌〜な人物を引き受けている。父役の村井國夫は、“邪”の力と重苦しさ、権力、老いを一瞬で感じさせた。文宏の兄役の中村達也は、父親の影と底知れぬ不気味さを漂わせる。つまりどの役者も存在感と個性を放ち、輝いている。役者陣もすごいが、彼らを指揮した中村哲平監督もすごいと思った。原作のイメージを生かしながら圧縮した脚本の流れにも好感が持てる。

さて、タイトルにあるように、文宏は彼なりのルールで仮面を被り、悪に手を染めた。確かに殺人者になったが、彼は父や兄の望み通り“邪”になったのだろうか? 文宏と香織はどうなるのか? 既に若手イケメン俳優を卒業した玉木宏が、新しい顔を見せてくれるサスペンス・スリラー&ラブ・ストーリー。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
 
posted by 象のロケット at 14:30| Comment(0) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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