2018年06月09日

『ワンダー 君は太陽』お薦め映画

★★★★★ 2017年製作 米 (113 min)
【監督】スティーヴン・チョボスキー (ウォールフラワー)
【出演者】
ジュリア・ロバーツ(プリティ・ブライド、ベスト・フレンズ・ウェディング、アメリカン・スウィートハート、ジキル&ハイド) 
オーウェン・ウィルソン(クーデター、ミッドナイト・イン・パリ、エネミー・ライン、ダージリン急行)
ジェイコブ・トレンブレイ(ルーム)
イザベラ・ヴィドヴィッチ、マンディ・パティンキン、ダヴィード・ディグス、ダニエル・ローズ・ラッセル
【あらすじ】人とは違う顔で生まれてきた少年オギーは27回も手術を受け続けたため、ずっと自宅学習を続けていた。 10歳になった時、母イザベルは父ネートの反対を押し切り、5年生の新学期から学校へ行かせることを決意する。 案の定、クラスで孤立し泣いてしまうオギー。 一方、その日は姉ヴィアの高校の初日でもあった…。 ハートウォーミング・ストーリー。 ≪正しさよりも優しさを選ぶ≫
原作:R.J.パラシオ『ワンダー』

『ワンダー 君は太陽』象のロケット
『ワンダー 君は太陽』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)Motion Picture Artwork (c) 2018 Lions Gate Entertainment

wonder1.jpg 【解説と感想】 人は見た目が何割だとか、ちょっと見の数秒で判断されるとか、いろんなことが言われている。男女問わず、化粧したり、服に金をかけたり、美容整形する人が増えたのも、見た目が大事だと感じているからだろう。美しい人は羨望の目で見られ、並みの人は印象に残らず、醜ければ蔑まれると思っているのかもしれない。確かに外見で判断されることもあるが、通常は清潔感やセンスなどの、心がけの部分が大きいのではないだろうか。美しさに惹かれて付き合っても別れることもあるし、ハンサムでも職場で全く使いものにならない奴もいる。

wonder2.jpg 本作の主人公は、10歳の少年オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)。彼は遺伝子疾患「頭蓋顔面異常」のため、普通ではない顔で生まれてきた。27回も整形手術を受けたせいで、学校へも通えなかった。おそらく、目・鼻・口が正しく機能することを第一目的とした整形手術だったのだろう。人の視線を避けるため、オギーは外へ出る時は宇宙飛行士のヘルメットを被っている。実際には整った顔立ちの子役が、特殊メイクで「少し」普通でないオギーの顔を作っているが、実際にはもっと大変な、機能的にも支障がある顔の患者は多いのだという。

wonder4.jpg 高校生の姉ヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)は、弟のことで両親が大変なことが分かっているので、手のかからない良い子として育った。本当はもう少し自分にも構って欲しいと思っているが、後先考えずにグレたりはしない。思春期のヴィアの悩みについても掘り下げてあり、彼女と親友ミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)との終盤のエピソードには泣かされた。

父ネート(オーウェン・ウィルソン)の反対を押し切り、母イザベル(ジュリア・ロバーツ)は、オギーを5年生の初日から学校へ行かせることを決断する。このまま一生引き籠り生活を続けさせるわけにはいかないからだ。予想通り、オギーは学校で無視されたり、イジメを受けたりする。子どもは正直な反応を示す。まずは見た目で判断し、ストレートにものを言う。初めてみる「変わった顔」に驚き、興味津々なのだ。そんな子どもたちの態度が、オギーと付き合うことで変化してゆく。

wonder3.jpg 初対面の人は驚くかもしれないが、家族にとってはこの上なく可愛いオギーなのである。他人であっても親しみや好意を持てば、顔の美醜はさほど気にならなくなっていく。親しくなった後は、中身の方が大事だから。実際、スクリーンの中のオギーは、どんどん愛らしくなっていくのだ。しかも優秀! しかし今後オギーがどこへ行こうと、どんなに尊敬される職業に就こうと、程度の差こそあれ同じことは繰り返されるだろう。強くなるしかない。本人もそれはよく分かっている。自分の顔を見て思わず目を伏せる人が、決して悪い人ばかりではないことも。ここではオギーが小学校へ通い始めてからの約1年間に焦点を当て、「頭蓋顔面異常」の子どもの苦悩と、周囲の接し方について問題提起している。見た人の心に優しさを広げてくれる感動ストーリー。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
 
posted by 象のロケット at 00:43| 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする