2017年07月08日

『世界は今日から君のもの』お薦め映画

★★★★ 2017年製作 日 (106 min)
【監督】尾崎将也
【出演者】
門脇麦(こどもつかい、14の夜、太陽、オオカミ少女と黒王子)
三浦貴大(監禁探偵、繕い裁つ人、桜並木の満開の下に、RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語)
比留川遊(最後の命)
岡本拓朗、安井順平、駒木根隆介、マキタスポーツ
【あらすじ】引きこもりがちな毎日を経て、ようやく始めたアルバイトをクビになった女性・真実。 ニート生活に戻ることを心配した父は、娘に新しいバイト先を見つけてくる。 それは新作ゲームをプレイして、バグ(欠陥)がないかチェックする“デバッカー”という仕事だった。 そこで真実は、思わぬ才能を開花させる…。 青春ドラマ。 ≪笑顔まで、あと少し。≫

『世界は今日から君のもの』象のロケット
『世界は今日から君のもの』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)クエールフィルム

kiminomono1.jpg 【解説と感想】学生ならば学校へ行かず、成人ならば仕事をせず、自分の部屋からほとんど出ない「引きこもり」人口は増加の一途だという。引きこもりと似ていて少し違うのが、引っ込み思案や内気な性格。極度の引きこもりは生活が立ちいかなくなるので直した方がいいが、引っ込み思案や内気なのは個性だから、無理に変えなくてもいいのではないかと思う。

本作の主人公・真実(門脇麦)は、引きこもり生活から一歩前進しアルバイトを始めたが、笑っちゃうような事故のせいでクビになる。娘が再び引きこもっては大変だと、父(マキタスポーツ)は早々に新しいバイト先を見つけてくる。それは新作ゲームをプレイして不具合を探す「デバッカー」という仕事で、一日中ほとんど誰とも話さず大好きなゲームが出来るというもの。引きこもり先が自分の部屋から勤務先のゲーム会社に変わっただけのようにも見えるが、ゲーム会社にとっては重要な仕事だし、ちゃんと給料がもらえる。真実には打ってつけの仕事だった。

ひょんなことから、彼女にイラストを描く才能があることが発覚する。自室に引きこもっている間、彼女はゲームをしたり、絵を描いたりしていたのだ。どんな人生にも無駄はないということだろうか。しかし、イラストが本業になるかはまだわからない…。

kiminomono2.jpg 真実がイラストを描くきっかけになったのも、彼女の才能に気づいたのも、ゲーム会社の製作部ディレクター矢部遼太郎(三浦貴大)。真実が遼太郎に好意を持つのは当然かつ自然な流れなのだが、この2人の距離感が絶妙で三重マルなのである。いいなー、この描き方! 三浦貴大にも改めて注目してしまった。


kiminomono3.jpg もう一人、彼女に大きくかかわるのが安藤恵利香(比留川游)という男前な女性。真実と恵利香が出会うサバゲー(サバイバルゲーム)シーンは見せ場の一つ。二人の性格は正反対だが、違いすぎるから相手の欠点が気にならないのだろう。娘に恵利香のようなしっかり者の友人が出来たと知ったら、父親は泣いて喜ぶはずである。

真実のファッションは、すべて古着から選んだのだという。内気だがイラストが得意な真実らしく、多色使いでも派手にならない大人しい感じのガーリーなコーディネート。若い子なら真似したくなるだろう。監督がイメージしたのは「アメリ」のような風変わりな女の子というから、ピッタリだ。カッコよすぎるサバゲーの衣装も、似合わないようで似合っている。

kiminomono4.jpg 自分の定規を押しつけがちな母親(YOU)を除き、真実の周囲の人間はみな、不器用で引っ込み思案な彼女の性格を理解して、遠巻きに応援している。あまり近くに寄ると、彼女は逃げ出してしまうだろう。先を急がないストーリー展開にも好感が持てる。登場人物がみな個性的で、セリフの言い回しや表情が面白い。何より女優・門脇麦の良さが存分に生かされていると感じられる作品だった。元ひきこもりの女の子が少しずつ成長してゆく、ユーモラスなハートウォーミング・ストーリー。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
 
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2017年05月27日

『光』お薦め映画

★★★★★ 2017年製作 日 (102 min)
【監督】河瀬直美(七夜待、2つ目の窓)
【出演者】
永瀬正敏(KANO 1931海の向こうの甲子園、スマグラー おまえの未来を運べ、誘拐、隠し剣 鬼の爪)
水崎綾女(ReLIFE リライフ、進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド、進撃の巨人 ATTACK ON TITAN、BUNGO 〜ささやかな欲望〜 見つめられる淑女たち)
神野三鈴(日本のいちばん長い日)
小市慢太郎、早織、大塚千弘、大西信満
【あらすじ】ディスクライバー(音声ガイド原稿制作者)の尾崎美佐子は、視覚障害者向けの映画音声ガイドの仕事に携わることになった。 そこで視力を失いつつある弱視の天才カメラマン中森雅哉と出会う。 表現に細かく注文を付ける雅哉に反発する美佐子だったが、彼が過去に撮影した写真を見て心を動かされる。 しかし音声ガイドの方は、何度書き直しても皆が納得するものができないのだった…。 ラブ・ストーリー。

『光』象のロケット
『光』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE

hikari1.jpg 【解説と感想】例えば駅の中を歩く人の中で、一目で身体障害者と分かるのは、足の不自由な人と目の不自由な人だ。なぜなら、車椅子や松葉づえ、白い杖は目立つから。耳の聞こえない人、声が出せない人、内臓疾患を抱える人は、見た目からはわからない。見た目で分かる障害者と分からない障害者には、どちらにも犯罪や事故に遭う危険がある。東京オリンピックへ向けて工事中の駅が多いが、まだまだバリアフリーにはほど遠い世の中だ。今回の作品には、目が見えない人も映画を楽しめる「音声ガイド付きバリアフリー上映」に携わる人々が登場する。

本作の主人公は、かつては天才カメラマンとして知られた存在だった中森雅哉(永瀬正敏)。彼は急激に視力が低下していて、完全に見えなくなる日がもうそこまで来ている。声が出ない歌手、音が聞こえないオーケストラ指揮者、足が不自由なサッカー選手と同じく、その苦悩たるや絶望に近いものがあるだろう。撮影への意欲と執着を捨てきれないでいる彼は、片時もカメラを手放すことができない。

hikari2.jpg 他の視覚障害者と共にバリアフリー映画のアドバイスもしている雅哉は、ディスクライバー(音声ガイド原稿制作者)の尾崎美佐子(水崎綾女)と出会う。彼女は精一杯頑張っているのだが、いかんせん未熟さが目立つ。それは仕事の経験というより、若くて人生経験が足りないせいだと言えるだろう。音声ガイドを利用する人の立場になって原稿を書くことが、まだ出来ずにいるのだ。そこを痛いほど的確に突いてくる雅哉の意見は辛辣で、美佐子を苛立たせる。

外国映画が日本で上映される場合、吹替とは別に、台詞が日本語になっただけの字幕スーパーがあるが、それとは別に、もっと分かりやすく細かい配慮がなされた難聴者向けの字幕がある。そして、視覚障害者向けには、音声ガイドというものがある。本作は、あまり知られていない音声ガイドの仕事が良く分かる内容になっていて、視覚障害者の手助けになりながらも邪魔をしない程度の音声原稿に仕上げるまでの過程が、丁寧に描かれている。美佐子自身が、担当する映画作品、そして目が見えない人のことを本当の意味で理解していなければ、映画製作者と視覚障害者が満足するような音声原稿は作れない。試写シーンで披露される、美佐子を悩ませた場面の最終稿は感動的で、映画と劇中劇がピタリと重なって見えた。

hikari3.jpg 雅哉を演じる俳優・永瀬正敏の演技が素晴らしい。彼は写真家としても活動しており、プライドが高い天才カメラマンのアーティスト・オーラを醸し出している。渋さとカッコよさが混在していて、美佐子が惹かれていくのも納得だ。一見、似合わない2人が近づいていく過程といい、全体が自然な流れで割とゆったりした印象なのに102分という尺なのは、ストーリーがシンプルだからだろう。暗闇の世界に向かいつつある男のラブ・ストーリー。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
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2017年01月23日

『サバイバルファミリー』お薦め映画

★★★★ 2017年製作 日 (117 min)
【監督】矢口史靖(WOOD JOB! 神去なあなあ日常、ウォーターボーイズ、ロボジー、アドレナリンドライブ)
【出演者】
小日向文世(仄暗い水の底から、愛を乞うひと、いま、会いにゆきます、重力ピエロ)
深津絵里(ステキな金縛り、恋ノチカラ TV版Vol.1〜4、女の子ものがたり)
泉澤祐希(君と100回目の恋)
葵わかな、菅原大吉、徳井優、桂雀々
【あらすじ】ある朝、緊急事態が発生する。 テレビや冷蔵庫、スマホにパソコンといった電化製品ばかりか、電車、自動車、ガス、水道、乾電池に至るまで、電気を必要とするすべてのものが完全にストップしてしまったのだ! 情報も絶たれた中、突然訪れた超絶不自由生活。 東京に暮らす鈴木家の父親は、一世一代の大決断を下す…。 サバイバル・ドラマ。

『サバイバルファミリー』象のロケット
『サバイバルファミリー』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ

survival1.jpg 【解説と感想】年末年始、私はほぼ潜伏生活を送っていた。一歩も外へ出なくても、続々と年末年始のご馳走や正月飾りが届く。汚れ物は白物家電にお任せ。室温・湿度も快適。それもこれも通販、宅配便、便利家電のおかげである。ありがとう!
しかし、ライフラインがストップしたら、こんな食っちゃ寝グータラ生活は送れないのである。年末に観た本作を思い出し、毎日の有り難さを噛み締める正月であった。

そう、本作「サバイバルファミリー」は、電気・ガス・水道がストップしてしまうお話である。なぜか乾電池も使えなくなり時計も動かない。ガソリンで動くはずの自動車も動かない。動く乗り物は自転車だけ。テレビ・ラジオやスマートフォンも使えないので、どこかで大災害があったのか、なかったのか、この不便な生活がいつまで続くのかも、全く分からないのだ。

主人公は、この危機に直面した鈴木一家4人(父・母、思春期の息子、娘)。食べ物も水も手に入らなくなり、このまま家にいても餓死を待つばかり。亭主関白を気取る父(小日向文世)は東京を捨てる決心をし、俺について来いと宣言する。田舎に行けば何とかなると思ったのだ。しかし、自転車でようやく空港へたどり着いたものの、当然のことながら飛行機は飛んでいない。文句を言いながらもついて来た家族は、父が頼りにならないことを再認識する。

妻(深津絵里)は主婦ならではの備えと知恵を発揮し当座をしのぐ。生活面では母強しである。しかし、日頃の運動量も少なく華奢な母には、体力がなかった! 息子(泉澤祐樹)、娘(葵わかな)は、カッコつけとスマホ生活から抜けられないイマドキの若者である。特に娘のブータレ状態ときたら話にならない。

survival3.jpg こんな時、他人の面倒まで見ていられないのはお互い様。途中、印象的な4人家族(父:時任三郎、母:藤原紀香、息子二人:大野拓朗・志尊淳)が登場する。彼等は日頃からアウトドア生活に慣れ親しんでいるらしく、服装も持ち物も準備万端。「ボクたちこんな非常事態だって楽しんでますよ」という雰囲気がちょっと鼻につく。頼りがいある両親とハンサムな息子たちを、鈴木家の娘は羨望の眼差しで見つめる。ウチのオトーサンとは雲泥の差! 情けないが仕方ない。娘はダメ親父について行くしかないのだ。

survival5.jpg もう飢え死にしそうだという時、鈴木一家は老人(大地康雄)宅で意外な親切を受ける。普段はバカにしている田舎に、煙たがっている老人に、ほぼ就活の対象外である農林水産業に、イザという時は必ずお世話になるのだ。いつも口にしている野菜や肉・魚、豊富にあると思っている水や電力も、供給しているのは地方なのだということを、都会人はウッカリ忘れている。戦争の時も、震災の時も、多くの人々が地方へ移動した。田舎の方が都会より自然豊かで、人情があり、簡単に食料が手に入り、安全で健康的な生活を送っているイメージがある。実際はそうでもないのだが…。

survival4.jpg 大災害発生時、直接の被災は免れても、水道・ガス・電気の供給や交通機関が一時ストップし、大変な思いをされた方々は多いだろう。そんな時、ラジオやインターネットの情報が頼りとなる。しかし本作の場合はそんな情報機器すらも使えない。普段、情報に踊らされている私たちだが、情報がなければ自分の判断で動くしかない。

 さて、ボロボロになりながらも鈴木一家は自転車で苦難の旅を続ける。もし目的地にたどり着いたとしても、そこでどうするのか? 2011年の東日本大震災から5年以上が経過したというのに余震はまだまだ続いているし、最近の地震は首都圏大震災の前震ではと煽る人もいる。防災用品は準備万端の方もそうでない方も、アウトドア生活が趣味の方も苦手な方も、頼る田舎がある方もない方も、参考のために見て欲しい。深刻になり過ぎない明るい冒険サバイバル。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
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2017年01月20日

『ザ・コンサルタント』お薦め映画

★★★★★ 2016年製作 米 (128 min)
【監督】ギャヴィン・オコナー(ジェーン)
【出演者】
ベン・アフレック(ゴーン・ガール、アルゴ、ペイチェック 消された記憶、偶然の恋人)
アナ・ケンドリック(ピッチ・パーフェクト、ピッチ・パーフェクト2、エンド・オブ・ウォッチ、マイレージ・マイライフ)
J・K・シモンズ(ラ・ラ・ランド、セッション、ターミネーター:新起動/ジェニシス、スパイダーマン2)
ジョン・バーンサル、ジーン・スマート、シンシア・アダイ=ロビンソン、ジェフリー・タンバー
【あらすじ】シカゴ近郊の田舎町に小さな公認会計事務所を構えるクリスチャン・ウルフは、大手電子機器メーカーの使途不明金の調査を依頼される。 ところが調査は途中で打ち切られ、経理担当者の女性デイナとウルフは命を狙われることに。 一方、アメリカ財務省犯罪捜査部のキング局長は、女性分析官メディナに、世界中の悪人を顧客にしている裏社会の会計コンサルタントの正体を突き止めるよう命じていた…。 クライム・アクション。

『ザ・コンサルタント』象のロケット
『ザ・コンサルタント』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

accountant1.jpg 【解説と感想】近年、ずっとワガママな奴、根気のない奴、自己チュー(自己中心的)と言われていた人が、自閉症、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害ではないかと言われるようになった。親や本人に病気という認識がなかったために、大人になってから判明したという人もいる。逆に、実際には発達障害ではないのに「あいつはアスペだ」とか「ADだ」と陰口を叩かれる場合もある。同じ自閉症でも知的障害を伴う場合と伴わない場合があり、種類は多岐にわたる。発達障害を抱える人は誤解されやすく、昔は変わり者扱いされていた。普通の学校には馴染めなくても芸術や学術方面で能力を発揮する人も多く、発明家エジソンや物理学者アインシュタイン、画家のピカソ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、山下清、作曲家ベートーベン等も発達障害だったのではと言われている。普通の人とは脳の使い方や、行動の優先順位が違うのかもしれない。

本作の主人公クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)は、高機能自閉症スペクトラム(言葉の発達に遅れがあり、人間関係を築くのが困難。知的障害はなく、興味のある物事へのこだわりが極端に強いタイプ。)であったために、子どものころはイジメに遭っていた。息子の将来を案じた父親と母親の教育方針は正反対でウルフ少年は悲しい思いをしたが、今は小さな公認会計士事務所を構え田舎町に溶け込んでいる。生活には何の心配もない…というか稼ぎすぎている。なぜなら実は彼は、麻薬カルテル、武器商人、殺し屋など、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る闇の会計士だからだ。危ない目に遭っても大丈夫。彼は命中率100%の射撃の腕と、格闘技を身に着けている。普段のインテリ顔と落差のある戦いぶりがカッコイイ!

まずは彼の、人と接することが苦手で愛想の一つも言えない性格、天才的な頭脳と事務処理能力、敵なしの戦闘能力という一風変わったキャラクターに魅せられ、その後の展開への期待に胸が膨らむ。不愛想でも何とかなる職業なだけに、町の人々も彼の言動が多少変わっていると感じても、あまり気にしない。気にしているのは、アメリカ政府財務省犯罪捜査部のキング局長(J・K・シモンズ)だけで、彼は女性分析官メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)にウルフの正体を突き止めるよう命じる。

accountant2.jpg もちろん表の仕事もやっているウルフは、敏腕マネージャー(その正体は後のお楽しみ)の指示で、大手電子機器メーカーの使途不明金調査を請け負う。ウルフと女性経理担当者デイナ(アナ・ケンドリック)は危険な目に遭うのだが、ウルフの感情が変化していくのがわかる。果たして、恋へと発展するのだろうか…? 

ウルフがどんな育ち方をしたのか、家族との関係、抱えている悩み、なぜ裏社会の仕事をやっているのか等が明かされる一方で、表の仕事と裏の仕事の行方、敵と味方が入り交じり、盛りだくさんの展開となっている。自閉症でメチャクチャ強い闇の会計士というユニークなダークヒーローの登場で、これはシリーズ化されないと勿体ない。次回作が楽しみなクライム・アクション。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)
 
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2015年10月22日

『俺物語!!』お薦め映画

★★★★ 2015年製作 日 (105 min)
【監督】河合勇人(花影、鈴木先生)
【出演者】
鈴木亮平(ふたたび SWING ME AGAIN、花子とアン、予告犯、TOKYO TRIBE)
永野芽郁(私の優しくない先輩、ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲)
坂口健太郎(ヒロイン失格、at Home アットホーム)
鈴木砂羽、寺脇康文、森高愛、高橋香織
【あらすじ】高校1年の剛田猛男は、全く高校生には見えない風貌と巨体の持ち主で 、豪傑・硬派な日本男児。 女子からは恐れられているが、男子からの信頼はアツい! これまで猛男が惚れた女子はみんな、隣家に住む親友で超イケメンの砂川誠を好きになるという残念な結果が続いていた。 ある朝、猛男と砂川は女子高生・大和凛子を危機から救い、猛男は大和に一目惚れしてしまう…。 ラブストーリー。
原作:『俺物語!!』(作画・アルコ 原作・河原和音 /集英社「別冊マーガレット」連載) 主題歌:槇原敬之『1』

『俺物語!!』象のロケット
『俺物語!!』作品を観た感想TB

画像(C)アルコ・河原和音/集英社(c)2015映画「俺物語!!」製作委員会

ore1.jpg 【解説と感想】ラグビーワールドカップ2015で日本代表チームが南アフリカに勝利し、決勝トーナメント進出は逃したが、3勝1敗という予想外の成績を収めて帰国した。「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝時のような大旋風が巻き起こっている。ガッチリ体型の選手たちの髪形はサッパリしていて、もちろん黒髪。ファッションが話題になるサッカー選手と違って、失礼ながらあまりオシャレさんには見えない。だが、そこがいいのだ! ファンになった女子たちは今、マッチョなラグビー選手にゾッコンなのだという。東日本大震災の時に自衛隊ブームが起こったように、やはり女子は「頼りがいのある男」を求めている!

本作の主人公・剛田猛男(鈴木亮平)は高校1年生だが、いかつい顔面と仁王像のような体型で、スポーツ万能。情に厚く、男子からの信頼は抜群。だが残念ながら女子からは怖がられ、対象外となっている。隣家に住む超イケメンの砂川誠(坂口健太郎)は猛男の親友で、こちらはラブコメ王道の王子様のようなルックス。成績優秀で性格もいい。砂川は告白されてもフッてばかりで、モテるのに彼女がいない。意中の人でもいるのだろうか…。

ore2.jpg 猛男と砂川は、チンピラに絡まれていた他校の女子・大和凜子(永野芽都)を救い、その時、猛男は大和に一目ぼれしてしまう。「好きだああああああああ!」と雄叫びするほど、めっちゃカワイイ大和! 男子にも女子にも嫌われないタイプだろう。助けてもらった御礼と称して、いじらしくも大和は毎日のように手作りのお菓子を持って来る。大和が砂川のことを好きなのだと感じた猛男は、ついつい2人の仲を取り持とうと頑張ってしまう。あぁ、切ない!

ore3.jpg まず、猛男を演じているのが、体重を30kg増やして100kg近くになった鈴木亮平(身長185cm、蛇足ながら32歳)と知って驚いた。もう素顔が思い出せないほどの変貌ぶり! 朝ドラ「花子とアン」で夫役を演じた彼は、ドラマ「天皇の料理番」では、病死する役のために20kg減量し56kgになったという。本来の体重がわからなくなってしまいそうだ。だが、30kg太ってもブヨブヨした肥満体ではなく、ラグビーの五郎丸歩選手(身長186cm、体重100kg)を彷彿とさせるような、ガッチリ締まった身体なのである。猛男の強すぎるスポーツ選手としての活躍や、大和とのズレた掛け合いには、爆笑の嵐! 五郎丸選手も、猛男も、そして鈴木亮平も、肝が据わった男の中の男という印象を受けた。

ore4.jpg 大和と砂川はなかなかくっつかない。大和の気持ちは途中でアッサリわかるのだが、砂川はなかなか本音を言わないのである。そこで気になった。ひょっとして砂川は…、猛男のことが好きなんじゃないだろうか? いつも猛男の隣にいる砂川の柔らかな茶髪、猛男を見つめるつぶらな瞳、もう完全にボーイズラブの世界! まさかのまさかではないかと心震わせる私であったが、結果は見てのお楽しみ…。

猛男の「大丈夫だ!」「任せておけ!」は、実に頼りがいのある決めゼリフ。天変地異が起ころうと、リストラされようと、彼なら妻子を飢えさせることはないだろう。あっ失礼、まだ猛男は15歳だった! こんな男が親友なら、こんな男子が彼氏ならと思うこと請け合い。少女コミックとしては異色の、巨漢高校生が主人公の青春ドラマ。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 10:05| Comment(0) | TrackBack(13) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする