2015年05月05日

MDプリンタ ユーザーサポート期間に関する重要なお知らせ

2017年7月23日更新:初回修理受付期間を2017年12月までに延長致しました。
2017年1月23日更新:初回修理受付期間を2017年6月までに延長致しました。
2016年9月1日更新:初回修理受付期間を2016年12月までに延長致しました。
2016年1月14日更新:初回修理受付期間を2016年6月までに延長致しました。

いつもお世話になっております。象のロケット、技術センターの長谷(はせ)です。
国内外を問わず、アルプス電気製MDプリンタユーザーの皆様から、『これからもずっとMDプリンタを使っていきたい。』、『サポートサービスをこれからも続けてほしい。』と、毎日のようにメッセージを頂きます。

必要とされる方の元へきれいに印刷できるプリンタと付属品を適正価格で流通させるべく協力会社との打ち合わせなど日々四苦八苦しておりますが、皆様からの喜びの声を励みにがんばっております。
メーカーが生産終了した商品をサポートしていくというのは予想以上に困難も多く、このプリンタを愛好されている方々のご協力が弊社のこの活動の唯一の支えと言っても過言ではありません。
2009年6月にMDプリンタのサポートを開始し、多くの皆様に支えていただきました。本当にありがとうございました。
これからも、皆様から喜んでいただけるような新商品の開発を含めてサポートサービスを誠心誠意継続いたします。 ご指導ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

尚、MDプリンタの修理メンテナンスおよび販売期間につきましては、下記の通りとさせていただきます。修理メンテナンスを継続サポートするプリンタを限定させていただいておりますことを、何卒ご了承ください。

【MDプリンタ修理メンテナンスサービス提供期間について】
[修理メンテナンスサービス提供期間]
2030年12月まで修理メンテナンスを行います。
尚、2030年時点での皆様からのご依頼状況によりましてはサービス提供期間の延長を検討致します。
[対象機種]
MD-1000、MD-1300、MD-1500、MD-5000、MD-5500
[対象プリンタの限定]
1.象のロケットから購入された修理メンテナンス済みMDプリンタ。
2.2017年12月までに象のロケットに修理メンテナンス依頼をされたMDプリンタ。
上記1または2に該当するプリンタに限定させていただきます。

【修理メンテナンス済みMDプリンタの販売期間について】
[販売期間]
2030年12月まで販売を行います。
尚、2030年時点での皆様からのご注文状況によりましては販売期間の延長を検討致します。
[対象機種]
MD-1000、MD-1300、MD-1500、MD-5000、MD-5500

===============================
MD-5500/MD-5000/MD-1500/MD-1300/MD-1000修理サービス(ALPSプリンター オーバーホール)
メンテナンス済みMD-5000/MD-5500販売中!
メンテナンス済みMD-1500/MD-1300/MD-1000販売中!
お問い合わせ連絡先

(象のロケット 技術センター)
posted by 象のロケット at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | MDプリンタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月02日

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』お薦め映画

★★★★ 2014年製作 米・カナダ (120 min)
【監督】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バベル、BIUTIFUL ビューティフル、21g)
【出演者】マイケル・キートン(ビートルジュース、クローンズ、ザ・ペーパー、バットマン)
ザック・ガリフィアナキス(ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い、ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える、スパイアニマル・Gフォース、デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断)
エドワード・ノートン(幻影師アイゼンハイム、25時、僕たちのアナ・バナナ、インクレディブル ハルク)
アンドレア・ライズブロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ
【あらすじ】シリーズ終了から20年経った今でも、世界中で大人気のスーパーヒーロー映画“バードマン”。 だがバードマン役で大スターになった男リーガンは、仕事も家庭も失い失意のどん底にいた。 リーガンは再起をかけ、自身の脚色・演出・主演でブロードウェイの舞台に立つことを決意する。 ところが俳優の一人が降板。 代役として現れたマイクは実力派だが、とんでもないトラブルメーカーだった…。 ブラック・コメディ。
アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』象のロケット
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』作品を観た感想TB

画像(C)2014 Twentieth Century Fox All rights reserved.

birdman1.jpg 【解説と感想】本作の主人公は、「バードマン」というヒーロー映画のシリーズで世界的大スターとなった中高年の俳優リーガン(マイケル・キートン)。シリーズが終了して20年経つが、「バードマン」ほどのヒット作には恵まれていない。世間からも家族からも散々な扱いを受けているのだが、私にはいいお父さんにしか見えなかった。

birdman2.jpg 薬物依存から脱却中の一人娘サム(エマ・ストーン)は今、更生のためリーガンの付き人をしている。彼女は父が俳優として終わっていると決めつけ、自分がこうなったのも父のせいだと言わんばかり。何でも親のせいにするな! 少しは応援しろよと言いたくなる。愛する娘に尊敬されないなんて、父親として辛いよなぁ…。

この20年、全く仕事をしなかったわけではないだろう。大きい借金もなく、犯罪者でもない。薬物・アルコール・ギャンブルの依存症でもない。リーガンは再起をかけ、自身の脚色・演出・主演でブロードウェイの舞台に立つことを決意したのだが、周囲の目は冷たい。遊園地建設や宇宙遊泳ではなく、きちんと本業で勝負しようとしている真面目な俳優だというのに…。

その舞台劇の原作は、レイモンド・カーヴァーの短編「愛について語るときに我々の語ること」。インテリ好みの文芸作品で、アクション俳優のリーガンに洗練された会話劇なんて出来るわけないと揶揄されている。自分で脚色するくらいだから、多少の素養はあるに違いない。いいじゃないか、冒険したって。ひょっとしたら、うまく行くかもしれないでしょ?

birdman3.jpg 舞台経験ゼロのリーガンがブロードウェイで主演できるのは、「バードマン」の知名度のおかげ。ところが、実力派の舞台俳優マイク(エドワード・ノートン)はデカい顔をするし、ハリウッドが大嫌いな舞台批評家タビサ(リンゼイ・ダンカン)からは、まだ見てもいないのにコケにされてしまう。しかし、一作でも世に知られた主演作品があるのは俳優として幸せなこと。今までパパラッチにも耐えてきたはず。有名人であることを利用したっていいじゃないか。まずは客が来なければ始まらないのである。

劇中のブロードウェイ劇でリーガンが演じる元恋人に復縁を迫る男、仕事と私生活の再起をかける本作の主人公リーガン、そして、本作でリーガンを演じるマイケル・キートン自身の姿が重なって見えてくるようなストーリーで、ハリウッド映画もアメコミヒーローもケチョンケチョンな扱いをされている。ところが本作自体もちろんハリウッド映画であり、リーガン役のマイケル・キートンは「バッドマン」、マイク役のエドワード・ノートンは「インクレディブル ハルク」、サム役のエマ・ストーンも「アメイジング・スパイダーマン」のヒロイン役と、3人ともアメコミヒーロー映画に出演している。そして彼らは本作でそれぞれアカデミー賞にノミネートされ、ハリウッドをけなしつつも本作はアカデミー賞作品賞その他、ものすごい数の賞を受賞するという快挙を成し遂げた。ある意味、ハリウッド映画の計り知れない懐の深さを感じる作品である。

birdman4.jpg リーガンのそばには時折、昔演じた“バードマン”が長年の相棒のように出現し、ドッキリわくわくさせてくれるシーンもある。だがそこからは、リーガンが相当追い詰められていることも感じられるのだ。 彼はブロードウェイで羽ばたくことができるのか? それとも終わってしまうのか? どんどん大変なことになっていく。長回しでずっと切れ目がないように感じられる本作、特にラストの窓のシーンは重要なので、画面から目を離さず注意してご覧頂きたい。

仕事一筋のお父さん、どうか、お仕事頑張ってください。誰もがあなたの価値を分かっていないが、私は心から尊敬し応援していますよ。そう言いたくなるブラック・コメディ。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 20:05| Comment(0) | TrackBack(10) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月01日

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』お薦め映画

★★★★★ 2014年製作 米・英 (115 min)
【監督】モルテン・ティルドゥム
【出演者】
ベネディクト・カンバーバッチ(それでも夜は明ける、スター・トレック イントゥ・ダークネス、アメイジング・グレイス、裏切りのサーカス)
キーラ・ナイトレイ(はじまりのうた、つぐない、プライドと偏見、ある公爵夫人の生涯)
マシュー・グード(イノセント・ガーデン、敬愛なるベートーヴェン、マッチポイント、シングルマン)
マーク・ストロング、チャールズ・ダンス、アレン・リーチ、マシュー・ビアード
【あらすじ】1939年、第二次世界大戦開戦直後のイギリス。 27歳の数学者アラン・チューリング、チェスチャンピオンのヒュー・アレグザンダーら6人の精鋭が、英政府の暗号研究機関“ブレッチリー・パーク”に集められる。 彼らに課せられた任務は、ドイツ軍が世界に誇る最強の暗号<エニグマ>を解読することだった…。 英国政府が50年間隠し続けた真実の物語。
アカデミー賞脚色賞

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』象のロケット
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』作品を観た感想TB

画像(C)2014 BBP IMITATION, LLC All rights reserved.

imitation1.jpg 【解説と感想】2人のイギリスが生んだ天才の物語が公開される。一つは「博士と彼女のセオリー」で、車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士(1942〜)になりきったエディ・レッドメインが主演男優賞を受賞した。もう一つが本作である。数学者アラン・チューリング(1912〜1954年)が主人公で、アカデミー賞脚色賞を受賞した。

imitation2.jpg チューリングは第二次世界大戦中にその頭脳を買われ、難攻不落と言われたナチスドイツの暗号“エニグマ”解読に挑んだ。その内容は50年以上も政府の重大機密であったため、彼の功績までもが曖昧にされていた。また後年、彼は不当(当時としては合法)に逮捕され、学者としての名誉と人間としての尊厳が傷つけられてしまった。そんなことが重なったせいか、コンピュータや人工知能の父と言われる偉大な数学者でありながら、ホーキング博士ほどは知られていない人物である。

imitation3.jpg さて、映画の中心となっているのは、アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)が、ブレッチリー・パーク(英政府の暗号研究機関)で同僚たち(キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、アレン・リーチ、マシュー・ビアード)と“エニグマ”解読に挑む数年間である。全員が各分野の精鋭で自信たっぷり。最初はゲーム感覚で解読に挑んでいたが、次第に「母国の人命を救うため」という使命感が広がっていく。

暗号の全組み合わせを調べるには2000万年以上かかり、しかも毎晩0時には設定が変わってしまうから、手作業では一生かかっても追いつかない。巨大な暗号解読機を手作りするが、それでも解読できない。エニグマもナチスドイツも強敵だった(日本軍の複雑な暗号も、アメリカが解読しようとしていた)。また、一つ暗号を解読したからといって、すぐ戦争に勝てるわけではない。まさに情報戦。ジェームズ・ボンドのような風貌のマーク・ストロングが、英国情報機関MI6の長官を演じている。

ところで、正月の箱根駅伝で青山学院大学駅伝部が優勝し、元「伝説の営業マン」原監督の選手育成手腕と、大学から予算を引き出したプレゼン力が話題となった。チューリングにも、予算獲得と自分の能力を売り込むプレゼン力、チームを率いる力があったようだ。いくら優秀でも一人の力には限界がある。一匹狼の変人チューリングが同僚と信頼関係を築いていく過程や、海軍中佐(チャールズ・ダンス)へのアピール、上がダメな場合の立ち回り方、結果が出せず非難されても耐え忍ぶ力、何度リストラされかけても平然としている図太さ、あきらめない勇気などは、会社員の方々にも参考になると思う。

一方で、本作はピュアなラブ・ストーリーでもある。チューリングは自分が作った機械に名前を付け、友達か恋人のように大事に扱っていた。彼は変わり者だから、数学や暗号、機械しか眼中になかったのだろうか。それともずっと愛し続けた人がいたのだろうか。思い至れば切なく、悲しい。

imitation4.jpg 大戦中と、チューリングのパブリック・スクール時代と、晩年が交錯している。少年時代と晩年の出来事が、彼の一生を左右した。時代が時代なら、自由に恋をして、ホーキング博士のように長生きして、もっともっと研究を続けられたであろう。知られざる第二次世界大戦下の情報戦と、天才数学者の生涯を描く、実話から生まれた物語。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 18:15| Comment(2) | TrackBack(15) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月11日

象のロケット クリアデカールシート 光沢 Z-GCDA4 A4サイズ(水転写式デカール/透明)

大変お待たせをいたしました。
モデラーの皆様のご要望にお応えし、従来の半光沢タイプのクリアデカールシートに加えて、光沢タイプを製品化致しました。本日2015年2月11日より販売を開始いたします。
【品名】:象のロケット クリアデカールシート 光沢
【型番】:Z-GCDA4

MDプリンタでの優れた印刷性、フィルム層の薄膜化と強度・耐久性の向上による容易な水転写作業性、仕上がりの美しさなど、半光沢タイプ同様に、今まで光沢タイプのクリアデカールシートをお使いのユーザー皆様のご意見やご要望を取り入れながら更にハイグレードな商品に仕上げました。どちらのタイプもきっとご満足いただけると思います。
模型、プラモデル、フィギュア、デコレーション、ネイルアート、ヘルメットや自転車・バイク・自動車の装飾、釣り竿や浮きなどへのマーキング・名入れなど、幅広くご利用ください。

尚、2013年6月より販売中のクリアデカールシート半光沢タイプは以下の通りです。従来は商品名に『半光沢』とは入れていませんでしたが、今後は光沢タイプとの違いを明確にするために『半光沢』と入れます。
【品名】:象のロケット クリアデカールシート 半光沢
【型番】:Z-CDCA4

光沢タイプ(Z-GCDA4)の価格は、半光沢タイプ(Z-CDCA4)の価格と同じです。
【価格】
象のロケット クリアデカールシート 光沢 Z-GCDA4 A4サイズ
¥1,000/5枚(1枚あたり¥200) ×○セット
¥5,400/30枚(1枚あたり¥180) ×○セット
¥34,000/200枚(1枚あたり¥170) ×○セット
¥160,000/1,000枚(1枚あたり¥160) ×○セット

尚、半光沢・光沢共に、クリアデカールシート各セットには『デカール保護シート』1枚を同梱しています。
『デカール保護シート』は印刷後のデカールを、保管中のこすれ傷などから保護するための特殊シートです。両面の平滑度は極めて高く、紙粉の発生もほとんどありません。
『デカール保護シート』のみの販売も行っています。

象のロケット デカール保護シートZ-DHGA4 A4サイズ
¥200/5枚(1枚あたり¥40) ×○セット
¥600/30枚(1枚あたり¥20) ×○セット
¥3,000/200枚(1枚あたり¥15) ×○セット
¥10,000/1,000枚(1枚あたり¥10) ×○セット

【購入方法】
象のロケットクリアデカールシートやインクカセットの購入につきましては、『各種インクカセット・付属品販売中!』ページの「ここからコピー」〜「ここまでコピー」をメールに貼り付けて送信してください。午後2時までにご注文メールをいただき、ご入金の方が確認できましたら、当日発送し、伝票番号をご返信いたします。 ご不明なことがありましたら、遠慮なくご連絡ください。
各種インクカセット・付属品販売中!
お問い合わせ連絡先

印刷方法や貼り付け方などは半光沢タイプZ-CDCA4と全く同じです。
下記のページを参考にしてください。

貼り付けの様子はこちらに写真を掲載しています。→象のロケット クリアデカールシート Z-CDCA4 貼り方

模型などへの使用例です。→鉄道模型Nゲージ

ネイルへの使用例です。→ネイルシールを自作! 簡単ネイルアート!

3Dプリンタによる造形物やフィギュアに色づけ・着色・マーキング

(象のロケット 技術センター)


 
posted by 象のロケット at 17:07| Comment(0) | TrackBack(0) | MDプリンタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月03日

『アメリカン・スナイパー』お薦め映画

★★★★ 2014年製作 米 (132 min)
【監督】クリント・イーストウッド(バード、ジャージー・ボーイズ、ミリオンダラー・ベイビー、グラン・トリノ)
【出演者】
ブラッドリー・クーパー(世界にひとつのプレイブック、ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い、ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える、プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ / 宿命)
シエナ・ミラー(ファクトリー・ガール、G.I.ジョー、カサノバ、アルフィー)
ルーク・グライムス(96時間 /リベンジ)
ジェイク・マクドーマン、ナヴィド・ネガーバン、キーア・オドネル、ケビン・ラーチ
【あらすじ】9.11以降のイラク戦争。 米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊を果たしたクリスは、卓越した狙撃の精度で多くの仲間の危機を救い“レジェンド”の異名を轟かせる。 しかし敵からは“悪魔”と恐れられ、その首には18万ドルの賞金が掛けられていた。 極限状況の戦地への度重なる遠征は、クリスの心を序々に蝕んでいく…。 伝説的スナイパーの半生。 R-15

『アメリカン・スナイパー』象のロケット
『アメリカン・スナイパー』作品を観た感想TB

画像(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC All rights reserved.

sniper1.jpg 【解説と感想】2月1日早朝、シリアやイラクの一部を実質的に支配しつつある中東の過激派ISILまたはISIS(いわゆる“イスラム国”)による邦人人質事件は、最悪の結末を迎えた。更に彼らは、日本国民への無差別殺害警告まで発した。その非道なやり方は許せないし、日本全体で“イスラム国”憎しの感情が高まっている。それでも私たち日本人は「目には目を、歯には歯を。」といった報復措置は取らない。中東を爆撃したりしないし、“イスラム国”とは何の関係もないイスラム系やイスラム教の人々を差別したりもしない…はずであるし、そうでなければならない。

sniper2.jpg 本作は実在の兵士クリス・カイル(1974〜2013)の回顧録に基づいている。彼は1999年にアメリカ海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)に入隊し、狙撃手(スナイパー)としてイラク戦争に4回出兵した。その間、公式記録としては米軍史上最多の160人を射殺(非公式記録ではもっとずっと多いという)している。

通常、戦地でのクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、屋上の見晴らしの良い場所で静かに銃を構えている。彼の任務は、味方の兵士を殺そうとしている敵を、先に殺してしまうこと。自爆テロや、手榴弾、銃を手にしていると思われるのは、成人男性ばかりではなく女子供までいる。自らの判断で、危ないと思ったら引き金を引く。即断即決のストレスはいかばかりか。戦闘シーンはリアルで、爆風で吹き飛ばされてしまいそうな臨場感がある。

sniper3.jpg 常に紛争地域に介入している軍事大国アメリカ。「野蛮なテロリストたち」を一掃し、9.11事件を繰り返してはならないという強い信念の下、クリスたちは命を懸けて戦っている。仲間一人の死が、部隊に与えるショックは大きい。一方、敵は何人殺そうが、痛くも痒くもない。敵が殺されるとホッとする。見ている方もだんだんそんな気になってくるから、慣れというのは恐ろしい。しかし本当にクリスは「敵ならいくら殺しても平気」だったのだろうか?

sniper4.jpg 美しい妻(シエナ・ミラー)と、かわいい盛りの子供たちを残して戦場へ向かうクリス。妻は一刻も早く退役して欲しいと願っている。しかしクリスは、家族と過ごす平和な毎日の方に違和感を感じている。大きな音がすると、本能的に身構えてしまう。クリスは病んでいる。明らかに多くの帰還兵たちを苦しめてきたPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状だ。いくら任務とはいえ、人を殺して平気なはずがない。何度も死にかけて平常心でいられるはずがない。むしろ、病んでこそ正常な人間といえるだろう。もし戦争で心を病んだ人が事件を起こしたら、それは誰の責任になるのだろうか?

sniper5.jpg 本作をイラク戦争の正当化や、スナイパーを英雄視する映画だと思われる方もいるかもしれないが、鑑賞後の印象は逆である。だからといって、戦った兵士たちを貶めるものでもない。イラク戦争の時と同じように現在、アメリカが主導する対テロ有志連合は、“イ
スラム国”掃討作戦を行っている。今回の邦人人質殺害事件により、日本人にとっても中東は“よく分からない遠くて関係のない地域”ではなくなった。私たちが紛争地域(紛争の理由や、困っている人々)にもっと関心を持つことは、ジャーナリスト後藤健二さんの願いでもあると思う。イラク戦争が、一人のアメリカ人兵士に与えた影響を描く実話物語。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 15:48| Comment(1) | TrackBack(23) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする