2015年06月02日

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』お薦め映画

★★★★★ 2015年製作 オーストラリア・米 (120 min)
【監督】ジョージ・ミラー(マッドマックス、マッドマックス2、ハッピー フィート、ベイブ・都会へ行く)
【出演者】
トム・ハーディー(チャイルド44 森に消えた子供たち、オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分、ダークナイト ライジング、スター・トレック ネメシス)
シャーリーズ・セロン(スタンドアップ、モンスター、ヤング≒アダルト、マイティ・ジョー)
ニコラス・ホルト(ウォーム・ボディーズ、ジャックと天空の巨人、アバウト・ア・ボーイ、X-MEN ファースト・ジェネレーション)
ヒュー・キース・バーン、ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ、ロージー・ハンティントン・ホワイトレイ、ライリー・キーオ
【あらすじ】電力はなく、石油、水、食糧は尽きかけ、大気は汚染され、無法地帯と化した世界。 愛する家族を失った元警官マックスは、ただ本能だけで生き長らえていた。 資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの略奪軍団に捕われたマックスは、ジョーの右腕でありながら反逆を企てた女性フュリオサ、配下の全身白塗りの男ニュークスと共に、ジョーに捕われていた美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する…。 バイオレンス・アクション。 R-15

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』象のロケット
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』作品を観た感想TB

画像(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED All rights reserved.

madmax1.JPG 【解説と感想】主演作の公開が相次ぎ、ノリにノッている俳優トム・ハーディ。
6月27日公開「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」は、一人芝居のようなワンシチュエーション・サスペンス。終始緊張が途切れない演技は見事だった。
7月3日公開「チャイルド44 森に消えた子供たち」は、連続誘拐殺人事件の話。ソ連エリート捜査官の、悪に立ち向かう執念を見せつけてくれた。
そして、6月20日公開の本作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」では、主人公マックスを演じている。しばらくは猿ぐつわで拘束されていて顔が良く見えないが、その隙間から、絶望した男の孤独感を漂わせている。それでも彼はまだ、死にたくはないようだ。

madmax2.jpg 放浪中のマックスは、砂漠でイモータン・ジョー率いる略奪軍団に拉致され、健康な血液を採取するための家畜人間にされてしまう。そこにはニュークス(ニコラス・ホルト:白塗りで顔がよく分からない!)ら、イカレた白塗りの戦闘員“ウォー・ボーイ”たちがいる。片腕のない女隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン:坊主頭と黒塗りで顔がよく分からない!)はジョーを裏切り、“子産み女”として囲われていた美女たちと共にジョーのディストピア(暗黒郷)を逃げ出し、緑のユートピア(桃源郷)を目指す。男たちは、女たちをどこまでもどこまでも追いかけていく。

madmax3.jpg これまでの経過説明がないので、一応過去の「マッドマックス」シリーズの内容を説明すると、警官だったマックスは妻子を殺されてから放浪の旅を続けており、世界は核戦争で既に崩壊し、資源は枯渇している。だが、過去作を見ていなくても十分楽しめるので、ご安心を。資源が尽き環境が悪化した世界だというのに、戦闘車やバイクが走る走る。戦士たちは捨て身で飛び掛かって来る。なぜか戦場でギター演奏が始まる。ガソリンどこで手に入れたのー? 体力ないんじゃなかったのー? 楽器がなんで火を吹くのー? 美女たちオシャレすぎー! 何食べて生きてんのー? なんて突っ込みも頭に浮かぶが、とにかく爆音の中、ずーっと“アドレナリンMADMAX”で闘っているので、息つく暇はないのである。

madmax4.JPG 何もない世界でも、ジョーは豊かな生活を送り、庶民は水すら満足に飲めない。暴力への恐怖と物資への渇望が、人を支配し動かしている。文明社会が崩壊してもなお、支配する側とされる側の力関係は変わらないのだ。だが絶望だけでは生きていけない。戦うだけの毎日を送っていた女戦士フュリオサと、子を産まされるだけだった美女たちは、自由を求めて戦うことを選んだ。一方、放浪しているだけの男マックスは、わずかばかり残った正義感で悪と戦うことを選んだ。しかし、ユートピアなんて本当にあるのだろうか? 私たち現代人に、何かを伝えているようにも見える。 

本作は難しいこと抜きで、とことん欲望・暴力VS希望・正義の命がけのアクションを楽しむ作品だ。CGよりリアルなアクションを重視したという砂漠での戦闘シーンは凄まじく、まさに地獄行きのデスロード! 男たちは狂ったように攻撃を仕掛けてくる。鑑賞中はクヨクヨした悩みなぞ、パッキーンと吹っ飛んで行ってしまう。ストレス解消度もMADMAXのアクション大作。お薦め作品だ。※鑑賞後は暴走注意! 安全運転でお帰り下さい。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)

 
posted by 象のロケット at 11:58| Comment(1) | TrackBack(18) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月07日

『チャッピー』お薦め映画

★★★★★ 2015年製作 米・メキシコ (120 min)
【監督】ニール・ブロムカンプ(第9地区、エリジウム)
【出演者】
シャールト・コプリー(第9地区、マレフィセント、特攻野郎 Aチーム THE MOVIE、エリジウム)
デーヴ・パテル(スラムドッグ$ミリオネア、エアベンダー、マリーゴールド・ホテルで会いましょう)
ニンジャ
ヨーランディ・ヴィッサー、ホセ・パブロ・カンティージョ、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバー
【あらすじ】2016年、犯罪多発地区の南アフリカ・ヨハネスブルグ。 兵器企業テトラバール社の開発者である青年ディオンは、自分自身で“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を、上司に無断でロボットに搭載する。 ところが、ディオンとそのロボット“チャッピー”は、ストリート・ギャングに誘拐され、まっさらな状態のチャッピーは、ギャングの“子ども”として育てられる。 やがて、チャッピーは“人類の敵”として狙われることに…。 SFアクション。

『チャッピー』象のロケット
『チャッピー』作品を観た感想TB

画像(C)2014 CTMG, Inc. All rights reserved.

chappie4.jpg 【解説と感想】仕事が出来る人ほど、不可能に挑戦してみたくなるものらしい。腕試ししたくても、ニセ札作りや盗聴やハッキングは犯罪だ。臓器移植やクローン技術や美容整形は、病気や怪我で苦しむ人を助けられるが、倫理的な観点から異議を唱える人もいる。ではAI(人工知能)はというと、現在は “考える”家電や作業用ロボット、データ分析ツールとして活躍中。更に進化し“自由意思”を持ってしまったAIは、人類の敵か、味方か? という問題を投げかけるのが本作「チャッピー」である。

chappie2.jpg 犯罪多発地域の南アフリカ・ヨハネスブルグでは、治安維持に兵器ロボットが大活躍している。ロボットを開発した青年ディオン(デーヴ・パテル)は兵器会社テトラバール社のエース的存在で、同僚の科学者ヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)から妬まれている。ある日、更なる開発実験の誘惑に駆られたディオンは、上司(シガニー・ウィーヴァー)に無断で、スクラップ寸前のロボットにAI(人工知能)を搭載させてしまう。

chappie1.jpg 人工知能は自分で“感じ、考え、成長する”が、最初は初期化したパソコンと同じで、まっさらな赤ちゃん状態。チャッピーの“創造主”である開発者ディオンは、人間の良心を叩きこみ、じっくり「良い子」に育てる予定だったが、チャッピーはストリート・ギャングに誘拐されてしまう。“ママ”である“ヨーランディ”からは優しさや愛を、“パパ”である“ニンジャ”からは荒っぽいギャングの言葉や盗みを教えられ、少々「悪い子」に育ってしまった。(パパ・ママを演じているのは南アフリカのラップグループ「ダイ・アントワード」のメンバーで、それぞれのアーティスト名が役名になっている。)

まず面白いのは、チャッピーの成長過程である。「第9地区」でお馴染みの俳優シャールト・コプリーが、モーションキャプチャー技術を駆使して演じているチャッピーの動きと声がユニークで微笑ましい。ロボットなので見た目の大きさは同じなのに、赤ちゃんから少年、逞しい青年へと成長していく様子がよくわかる。赤ちゃんチャッピーはムチャクチャ可愛いくて、私もペットとして一匹欲しくなった。金儲けに利用するつもりだったパパとママが、次第にチャッピーに情が移っていくのも無理はない。

次に、時代設定が来年の2016年であることが、AIロボットの是非について考えさせてくれる。人間よりずっと丈夫でずっと学習能力の高いロボットが、人間の指示で動いている間は「味方」だが、感情まで持ってしまったら、天使にも悪魔にもなり得る。人間よりも能力があって人間が制御出来ないものは「敵」と見なされるのがSF映画のお約束。しかし現実社会では、人間の経験や判断を差し置いて、今やAIが膨大な蓄積データから割り出した未来予測が、各分野で活用されつつある。人類がAIに凌駕される日が、本当にやって来そうなのだ。クローンを作れても作らないという医療倫理と同じく、そろそろ人間とロボットの役割区分や線引きをはっきりさせるべき時が来ているのかもしれない。

chappie3.jpg 終盤の光景は、かなり衝撃的だ。ワクワクもするし、怖い気もする。ひょっとしたら、もうこんなロボットが世界のどこかにいるのではないかと思えてくる。「第9地区」と同じく、次回作を期待させる思わせぶりな終わり方だった。人間が作って育てたAIロボット・チャッピーが人間を変え、更にはロボット自体を変えていく、恐るべき近々未来SFアクション。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 18:28| Comment(0) | TrackBack(10) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

MDプリンタ ユーザーサポート期間に関する重要なお知らせ

2017年7月23日更新:初回修理受付期間を2017年12月までに延長致しました。
2017年1月23日更新:初回修理受付期間を2017年6月までに延長致しました。
2016年9月1日更新:初回修理受付期間を2016年12月までに延長致しました。
2016年1月14日更新:初回修理受付期間を2016年6月までに延長致しました。

いつもお世話になっております。象のロケット、技術センターの長谷(はせ)です。
国内外を問わず、アルプス電気製MDプリンタユーザーの皆様から、『これからもずっとMDプリンタを使っていきたい。』、『サポートサービスをこれからも続けてほしい。』と、毎日のようにメッセージを頂きます。

必要とされる方の元へきれいに印刷できるプリンタと付属品を適正価格で流通させるべく協力会社との打ち合わせなど日々四苦八苦しておりますが、皆様からの喜びの声を励みにがんばっております。
メーカーが生産終了した商品をサポートしていくというのは予想以上に困難も多く、このプリンタを愛好されている方々のご協力が弊社のこの活動の唯一の支えと言っても過言ではありません。
2009年6月にMDプリンタのサポートを開始し、多くの皆様に支えていただきました。本当にありがとうございました。
これからも、皆様から喜んでいただけるような新商品の開発を含めてサポートサービスを誠心誠意継続いたします。 ご指導ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

尚、MDプリンタの修理メンテナンスおよび販売期間につきましては、下記の通りとさせていただきます。修理メンテナンスを継続サポートするプリンタを限定させていただいておりますことを、何卒ご了承ください。

【MDプリンタ修理メンテナンスサービス提供期間について】
[修理メンテナンスサービス提供期間]
2030年12月まで修理メンテナンスを行います。
尚、2030年時点での皆様からのご依頼状況によりましてはサービス提供期間の延長を検討致します。
[対象機種]
MD-1000、MD-1300、MD-1500、MD-5000、MD-5500
[対象プリンタの限定]
1.象のロケットから購入された修理メンテナンス済みMDプリンタ。
2.2017年12月までに象のロケットに修理メンテナンス依頼をされたMDプリンタ。
上記1または2に該当するプリンタに限定させていただきます。

【修理メンテナンス済みMDプリンタの販売期間について】
[販売期間]
2030年12月まで販売を行います。
尚、2030年時点での皆様からのご注文状況によりましては販売期間の延長を検討致します。
[対象機種]
MD-1000、MD-1300、MD-1500、MD-5000、MD-5500

===============================
MD-5500/MD-5000/MD-1500/MD-1300/MD-1000修理サービス(ALPSプリンター オーバーホール)
メンテナンス済みMD-5000/MD-5500販売中!
メンテナンス済みMD-1500/MD-1300/MD-1000販売中!
お問い合わせ連絡先

(象のロケット 技術センター)
posted by 象のロケット at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | MDプリンタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月02日

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』お薦め映画

★★★★ 2014年製作 米・カナダ (120 min)
【監督】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バベル、BIUTIFUL ビューティフル、21g)
【出演者】マイケル・キートン(ビートルジュース、クローンズ、ザ・ペーパー、バットマン)
ザック・ガリフィアナキス(ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い、ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える、スパイアニマル・Gフォース、デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断)
エドワード・ノートン(幻影師アイゼンハイム、25時、僕たちのアナ・バナナ、インクレディブル ハルク)
アンドレア・ライズブロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ
【あらすじ】シリーズ終了から20年経った今でも、世界中で大人気のスーパーヒーロー映画“バードマン”。 だがバードマン役で大スターになった男リーガンは、仕事も家庭も失い失意のどん底にいた。 リーガンは再起をかけ、自身の脚色・演出・主演でブロードウェイの舞台に立つことを決意する。 ところが俳優の一人が降板。 代役として現れたマイクは実力派だが、とんでもないトラブルメーカーだった…。 ブラック・コメディ。
アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』象のロケット
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』作品を観た感想TB

画像(C)2014 Twentieth Century Fox All rights reserved.

birdman1.jpg 【解説と感想】本作の主人公は、「バードマン」というヒーロー映画のシリーズで世界的大スターとなった中高年の俳優リーガン(マイケル・キートン)。シリーズが終了して20年経つが、「バードマン」ほどのヒット作には恵まれていない。世間からも家族からも散々な扱いを受けているのだが、私にはいいお父さんにしか見えなかった。

birdman2.jpg 薬物依存から脱却中の一人娘サム(エマ・ストーン)は今、更生のためリーガンの付き人をしている。彼女は父が俳優として終わっていると決めつけ、自分がこうなったのも父のせいだと言わんばかり。何でも親のせいにするな! 少しは応援しろよと言いたくなる。愛する娘に尊敬されないなんて、父親として辛いよなぁ…。

この20年、全く仕事をしなかったわけではないだろう。大きい借金もなく、犯罪者でもない。薬物・アルコール・ギャンブルの依存症でもない。リーガンは再起をかけ、自身の脚色・演出・主演でブロードウェイの舞台に立つことを決意したのだが、周囲の目は冷たい。遊園地建設や宇宙遊泳ではなく、きちんと本業で勝負しようとしている真面目な俳優だというのに…。

その舞台劇の原作は、レイモンド・カーヴァーの短編「愛について語るときに我々の語ること」。インテリ好みの文芸作品で、アクション俳優のリーガンに洗練された会話劇なんて出来るわけないと揶揄されている。自分で脚色するくらいだから、多少の素養はあるに違いない。いいじゃないか、冒険したって。ひょっとしたら、うまく行くかもしれないでしょ?

birdman3.jpg 舞台経験ゼロのリーガンがブロードウェイで主演できるのは、「バードマン」の知名度のおかげ。ところが、実力派の舞台俳優マイク(エドワード・ノートン)はデカい顔をするし、ハリウッドが大嫌いな舞台批評家タビサ(リンゼイ・ダンカン)からは、まだ見てもいないのにコケにされてしまう。しかし、一作でも世に知られた主演作品があるのは俳優として幸せなこと。今までパパラッチにも耐えてきたはず。有名人であることを利用したっていいじゃないか。まずは客が来なければ始まらないのである。

劇中のブロードウェイ劇でリーガンが演じる元恋人に復縁を迫る男、仕事と私生活の再起をかける本作の主人公リーガン、そして、本作でリーガンを演じるマイケル・キートン自身の姿が重なって見えてくるようなストーリーで、ハリウッド映画もアメコミヒーローもケチョンケチョンな扱いをされている。ところが本作自体もちろんハリウッド映画であり、リーガン役のマイケル・キートンは「バッドマン」、マイク役のエドワード・ノートンは「インクレディブル ハルク」、サム役のエマ・ストーンも「アメイジング・スパイダーマン」のヒロイン役と、3人ともアメコミヒーロー映画に出演している。そして彼らは本作でそれぞれアカデミー賞にノミネートされ、ハリウッドをけなしつつも本作はアカデミー賞作品賞その他、ものすごい数の賞を受賞するという快挙を成し遂げた。ある意味、ハリウッド映画の計り知れない懐の深さを感じる作品である。

birdman4.jpg リーガンのそばには時折、昔演じた“バードマン”が長年の相棒のように出現し、ドッキリわくわくさせてくれるシーンもある。だがそこからは、リーガンが相当追い詰められていることも感じられるのだ。 彼はブロードウェイで羽ばたくことができるのか? それとも終わってしまうのか? どんどん大変なことになっていく。長回しでずっと切れ目がないように感じられる本作、特にラストの窓のシーンは重要なので、画面から目を離さず注意してご覧頂きたい。

仕事一筋のお父さん、どうか、お仕事頑張ってください。誰もがあなたの価値を分かっていないが、私は心から尊敬し応援していますよ。そう言いたくなるブラック・コメディ。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 20:05| Comment(0) | TrackBack(10) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月01日

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』お薦め映画

★★★★★ 2014年製作 米・英 (115 min)
【監督】モルテン・ティルドゥム
【出演者】
ベネディクト・カンバーバッチ(それでも夜は明ける、スター・トレック イントゥ・ダークネス、アメイジング・グレイス、裏切りのサーカス)
キーラ・ナイトレイ(はじまりのうた、つぐない、プライドと偏見、ある公爵夫人の生涯)
マシュー・グード(イノセント・ガーデン、敬愛なるベートーヴェン、マッチポイント、シングルマン)
マーク・ストロング、チャールズ・ダンス、アレン・リーチ、マシュー・ビアード
【あらすじ】1939年、第二次世界大戦開戦直後のイギリス。 27歳の数学者アラン・チューリング、チェスチャンピオンのヒュー・アレグザンダーら6人の精鋭が、英政府の暗号研究機関“ブレッチリー・パーク”に集められる。 彼らに課せられた任務は、ドイツ軍が世界に誇る最強の暗号<エニグマ>を解読することだった…。 英国政府が50年間隠し続けた真実の物語。
アカデミー賞脚色賞

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』象のロケット
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』作品を観た感想TB

画像(C)2014 BBP IMITATION, LLC All rights reserved.

imitation1.jpg 【解説と感想】2人のイギリスが生んだ天才の物語が公開される。一つは「博士と彼女のセオリー」で、車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士(1942〜)になりきったエディ・レッドメインが主演男優賞を受賞した。もう一つが本作である。数学者アラン・チューリング(1912〜1954年)が主人公で、アカデミー賞脚色賞を受賞した。

imitation2.jpg チューリングは第二次世界大戦中にその頭脳を買われ、難攻不落と言われたナチスドイツの暗号“エニグマ”解読に挑んだ。その内容は50年以上も政府の重大機密であったため、彼の功績までもが曖昧にされていた。また後年、彼は不当(当時としては合法)に逮捕され、学者としての名誉と人間としての尊厳が傷つけられてしまった。そんなことが重なったせいか、コンピュータや人工知能の父と言われる偉大な数学者でありながら、ホーキング博士ほどは知られていない人物である。

imitation3.jpg さて、映画の中心となっているのは、アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)が、ブレッチリー・パーク(英政府の暗号研究機関)で同僚たち(キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、アレン・リーチ、マシュー・ビアード)と“エニグマ”解読に挑む数年間である。全員が各分野の精鋭で自信たっぷり。最初はゲーム感覚で解読に挑んでいたが、次第に「母国の人命を救うため」という使命感が広がっていく。

暗号の全組み合わせを調べるには2000万年以上かかり、しかも毎晩0時には設定が変わってしまうから、手作業では一生かかっても追いつかない。巨大な暗号解読機を手作りするが、それでも解読できない。エニグマもナチスドイツも強敵だった(日本軍の複雑な暗号も、アメリカが解読しようとしていた)。また、一つ暗号を解読したからといって、すぐ戦争に勝てるわけではない。まさに情報戦。ジェームズ・ボンドのような風貌のマーク・ストロングが、英国情報機関MI6の長官を演じている。

ところで、正月の箱根駅伝で青山学院大学駅伝部が優勝し、元「伝説の営業マン」原監督の選手育成手腕と、大学から予算を引き出したプレゼン力が話題となった。チューリングにも、予算獲得と自分の能力を売り込むプレゼン力、チームを率いる力があったようだ。いくら優秀でも一人の力には限界がある。一匹狼の変人チューリングが同僚と信頼関係を築いていく過程や、海軍中佐(チャールズ・ダンス)へのアピール、上がダメな場合の立ち回り方、結果が出せず非難されても耐え忍ぶ力、何度リストラされかけても平然としている図太さ、あきらめない勇気などは、会社員の方々にも参考になると思う。

一方で、本作はピュアなラブ・ストーリーでもある。チューリングは自分が作った機械に名前を付け、友達か恋人のように大事に扱っていた。彼は変わり者だから、数学や暗号、機械しか眼中になかったのだろうか。それともずっと愛し続けた人がいたのだろうか。思い至れば切なく、悲しい。

imitation4.jpg 大戦中と、チューリングのパブリック・スクール時代と、晩年が交錯している。少年時代と晩年の出来事が、彼の一生を左右した。時代が時代なら、自由に恋をして、ホーキング博士のように長生きして、もっともっと研究を続けられたであろう。知られざる第二次世界大戦下の情報戦と、天才数学者の生涯を描く、実話から生まれた物語。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 18:15| Comment(2) | TrackBack(15) | 超お薦め映画作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする